瓢箪日記

備忘録

美の宴

21回秘蔵の名品アートコレクション展

美の宴 琳派から栖鳳、大観、松園まで

ホテルオークラ東京 本館1階「平安の間」

 

毎年ホテルオークラで開催されてきたチャリティー企画展だが、今回の展示終了後にホテルは建替え工事に入る。有名なロビーでは記念撮影をする人が後を絶たない。感慨深げな展示のテーマは「美の宴」。副題には著名作家の名前が並び、企業コレクションの豊かさと趣味の良さを感じる。必見作品の一つは、副題にはない今村紫紅「護花鈴」(霊友会妙一コレクション)だろう。日本の作家たちの中でマティス「ジャズ」がアクセントを与えている。

酒井抱一「四季花鳥図屏風」(陽明文庫)は華やかな金屏風でいかにもホテルの広間にふさわしく、江戸時代にも同じような祝祭の場に使用されたのではないかと思わせる。軍鶏を描いた竹内栖鳳「蹴合」(大倉集古館)、石崎光瑤「藤花孔雀之図」(南砺市立福光美術館)は巨大な掛軸でこちらを圧倒する。この2点は大倉集古館コレクションを作り上げた大倉喜八郎の子、喜七郎が尽力したローマ展(1930年)出品作であり、今ここで展示されるにふさわしい。

ホテルオークラの敷地内に立つ大倉集古館もリニューアル工事の最中である。同館コレクションはしばらく他館で見ることになる。再びホームで作品を見るのを楽しみにしたい。