瓢箪日記

備忘録

琳派降臨 近世・近代・現代の「琳派コード」を巡って

京都市美術館2016.1.14-2.14

 

琳派400年記念祭の掉尾を飾る展覧会。2015年秋に京都国立博物館京都国立近代美術館で開催された二つの琳派展ー前者は近世まで、後者は近代以降ーを踏まえての企画構成や作品の出品交渉は、様々に困難であったと思われる。「自然」「都市」「抽象」というテーマ設定からもやりにくさを感じた。本展の見所は、近世から近代へと琳派をつなぐ神坂雪佳の作品をまとめて見ることができる点にある。掛軸などの絵画作品と工芸図案、雪佳の図案にもとづき弟祐吉が制作した「帰農之図硯箱」などの工芸品から雪佳の活動の幅広さを知ることができる。京都画壇から現代の琳派にいたる後半は、東京国立近代美術館で2004年に開催された「琳派RIMPA」展への批評、「なぜこの作品が入り、この作品が入らないのか」を蒸し返すように思った。「琳派コード」はつきつめれば「日本美術の特質」になるのだろうか。