瓢箪日記

備忘録

ゆかいな若冲・めでたい大観ーHAPPYな日本美術ー

特別展 伊藤若冲 生誕300年記念

山種美術館2016.1.3-3.6

 

鶴亀、松竹梅、七福神、蓬莱山に富士山など、吉祥テーマと干支を集めた山種美術館の正月展示。伊藤若冲生誕300年となる2016年、若冲を冠する展覧会の第一弾でもある。「群鶏図屏風」、「河豚と蛙の相撲図」など若冲作品の多くは個人所蔵のものを出陳する。若冲水墨画は筆の勢いを活かすものが多いが、蛙の腕はよく見ると数本のふるえる線が見られる。山種美術館所蔵の若冲筆「伏見人形図」は顔料を用いて、陶器人形の質感を紙の上に表わそうと工夫している。この良さは図版では伝わりにくいので、ぜひ実物で確認したいところ。山種美術館の展示ケースは作品と鑑賞者の距離が近いので、細部までじっくり見ることができてありがたい。